プリロス

プリンスが亡くなってしまった。

約2週間
ずっと彼の音楽を聴き続けているが
未だにまだ信じられない気持ちでいっぱいだ。

わたしのプリンスとの出会いは When doves cry のPV
爬虫類のようにバスタブから這い出てくるプリンス
後半では裸で何故かストールだけ巻き
バスタブにつかっている(笑)

・・・あの雷に打たれたような衝撃は
多分生涯忘れる事ができない(笑)

思わず目を背けるというか
見てはいけないものを見てしまったような
とにかく、音楽やTVの世界でこれまでにいないタイプの人だった
(普通の世界にもいないか(笑)
でもそのインパクト故
プリンスを見るとすかさず(拒否?(笑)反応してしまう自分がいた。

やがてLet’s go crazyやPurple rainが立続けに大ヒットし
まずます露出するプリンス
そのPVは映画の中のLIVE映像などで
あの強烈な出会いからすればややマイルド(笑)
曲も聴けば聴くほどカッコ良い!
パープルレイン以前のアルバムはファンク色がより強く
明るく良い意味の軽さがありこれまた良い!
デビューアルバムをすべて自分ひとりで作ってしまったと聞き
その才能にも驚いてしまった。

超マイナスから始まったからか?
あとはどんどん+になっていくのみ(笑)
(これはショック療法に近いモノがある(笑)
気が付けば第一印象で気持ち悪いと思っていた彼を(スマン(笑)
彼の音楽が誘導する形で(笑)大好きになっていった。

とにかく、世間に
キモイをカッコイイと思わせた
(キモカッコイイを確立させた)
初めての人なのではなかろうか?

小柄な体格を気にしていたといわれるプリンス
自分を大きく見せる為、常に高いヒールを履き
ギターも3/4に改造していたらしい。
パープルレインのハーレーも
実はハーレーに似せたコンパクトな改造品だったそう。
そんな彼がまず世間の目に留まるには?と考えた策が
衝撃の見た目(笑)だったのかも知れない。

目を引く為のインパクト
そのルックスと話題性だけに終始してしまう人が多々いる中、
彼はキャリアを重ねる度に
その淫靡な(笑)ヴェールを脱ぎ捨てていき、
見た目ではなく、自身の音楽性のクオリティの高さを
我々にマジマジと見せつけていったアーティストだったと思う。

往年の大ヒット曲があるアーティストのファンは
LIVEでもその当時の曲を聞かないと盛り上がれない傾向にある。

そしてかつてカッコイイと思っていたアーティストも
時を経て聴くと非常に残念に思うこともある。

しかし、プリンスは、
たとえ、最近の彼の動向をチェックしていなくとも
LIVEで披露されているのが
たとえ知らない曲ばかりでも
その時々の彼の放つ音楽を
どの時代においても
素直にカッコイイと思わせてくれるアーティストであった。

いつも進化し続け、時代の先をどんどん行くアーティスト
(いつしか見た目的にも本当にカッコイイと思わせるようになったのはさすが
特に1999年あたりの殿下はマジで悶絶カッコイイ(笑)
これ↓(笑)
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それがプリンスであった。

プレイしている時の彼には
いつも音楽においての
やさしさと包容力と謙虚さとコミュニケーション力の高さが伺える。
メインではなく、ギターを弾いている時などに
それは手に取るように良くわかり、
メインのアーティストを最大に盛り上げることにとても長けていて
その姿がとても好きだ。
(でもそのオーラから何をやっても相当目立ってしまうのも殿下だが(笑)

例えば、BET Awards 2006 でのチャカカーンのトリビュートで
I feel for youのCDに出てくる「SAY YEAH—-」のフレーズをやる気満々のプリンス
一方気持ちよさそうにフェイクしまくりのチャカに合わせ
すぐに掛け合いをやめギターでノリまくるプリンス。
そしてスティービーの元へ駆け寄り
スティービーもプリンスにあおられ立ってハーモニカで盛り上がる。
オーディエンスを盛り立て、共演者を盛り立て
自分も最大の力でプレイをする。
音楽においての彼の父性や統率力を
感じずにはいられないシーンだった。

彼の数少ないインタビューの中で
「僕は、誰とも少しも違いはない。人々は、僕を魅了する。彼らは素晴らしい!
僕は、他の人の人生より自分の人生に魅了されることはないんだ」
と語っている。
この発言の自己への冷静さ、周りへの謙虚さは
彼の音楽の中で十分に感じることができる。

彼の音楽仲間を思いやるエピソードは他にも
レニークラヴィッツのインタビュー記事を読めば良くわかる。

そして初期に彼を見染めたぺぺウイリーによると
彼は12時間ものリハを行った後
自室に戻り寝ずにドラムの練習をしていたとのこと。
天才にして努力家だったプリンス。
彼はショウマンとしてもすぐれた能力で人々を魅了したが
音楽への真摯な姿勢は
数々の証言を読めば読むほど
職人というニュアンスに近いような気がする。

とにかく、プリンスであろうと、元プリンスになろうと
またプリンスに戻ろうと(笑)
彼の中で彼の音楽への取り組みは変わる事なく
休みなく続けられてきた。

我々ファンは、自らタフだと言い切っていた彼の言葉を信じ、
まだまだ彼と彼の音楽への道程は
続くものだと信じ切っていた。
だから本当にまだ信じられないし
残念でならない。

こんなに凄い人なのに
その音楽から感じられる人間性により
とても親近感を持っていたんだなぁと
今改めて思う。

プリンス
改めて音楽を純粋に愛する偉大な音楽家へ
心から感謝の気持ちでいっぱいだ。

ここに書ききれない思いはまだまだあるし、
これからも彼の音楽を聴く限り
その思いは続いていくのだと思う。

永遠に・・・。

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